【第一回】魚臭のシンデレラ マツヤバティ

結婚するために必要なこととは?過酷な運命を背負って生まれながら、したたかに強く生き、女王の座についたマツヤバティのお話。

【第二回】奥さんばっかりが悪いわけ? 〜インドの2大抒情詩の1つ、「ラーマヤーナ」より〜

夫の失態によって魔王にさらわれた新妻のシータ。命からがら戻ってくるも、魔王との不義を疑われ……色恋沙汰には様々な事情が絡んでいる、そんなお話。

【第三回】インドを変えた女神様 女盗賊プーラン・デヴィ

11歳で結婚、20歳で盗賊に、そして人気国会議員へ……女性の社会的地位の低いインドで激動の人生を歩んだ実在の女性・プーランのお話。

【第四回】しのぶ愛こそ誠なれ  アンバー姫とヤクシー

信念を貫いたがゆえに悲しい運命をたどった一人の王女。身も心もボロボロになった彼女を献身的に世話したひとりぼっちの妖精・ヤクシーの悲しい恋のお話。

【第五回】本当の“恋成就”って? ダーキニーの娘と仏弟子アナンダの話

恋した相手は“僧侶”でした……立ちはだかる障害もなんのその、本当の意味で恋を叶えた娘・スンダリのお話。

【終わりの挨拶として】

一般の占いとインド占星術とでは、若干おもむきが違うかもしれません。もちろん他民族他宗教国家インドでは占星術の流派も星の数ほどあるので、断言はできませんが。

一般的な占いでは、凶がでたら凶の人生を歩かねばならず、吉が出たらそれだけで「いい人生を送れる」と捉えるでしょう。これがインド占星術では、どんな人間も吉凶両方の顔を持つ、と考えられます。今、仕事が順調な人が、未来永劫順調かというと、必ずしもそうではありません。その人のお仕事の成功は、本人の才能ゆえではなく、良い運気に乗っただけかも知れません。また、今仕事がぱっとしなくても、成功の時期は誰でも必ずあります。もっとも、何十年も待つなんてできないよ!という方もいるでしょう。そこで占い師たちは開運方法を伝授するのです。

日本で主流になっているヴィシュヌ・ブラフマー教の流れを汲むインド占星術師たちは「宗教儀式を行いましょう」と進言します。でも、相談するグル(先生)と相性が悪ければ「君が悪い」と、逆に説教を喰らって落ち込んだりします。

私が信仰しているシヴァ神は、昔話の中で人間たちにこう説いています。

「勤勉に正直に。家族を大切にし、善行を積みなさい。宗教儀礼はいりません。困った時は神を呼びなさい。必ず恩寵を与えます」

それと同時に、次のような言葉も、昔話には出てきます。

「栄誉やお金で幸せになれるとは限らない。本当の幸せとは、最低限の衣食があって、健康なこと。家族や友人に囲まれ、ニコニコ過ごす事」

占いで成功の時期を探す合間に、一度「幸せ」について考えてみてくださいね。

by立夏

※立夏先生の公式ブログが開設しました!
■「1から始めるインド占星術」
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